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これぞフットボール 〜希望と現実〜(アーセナル戦プレビュー)

開幕から魅せる新たな可能性

いよいよリーグ戦が開幕した。対するは、4度目の正直と優勝を狙うアーセナル。恐らくだが多くの人は昨季のユナイテッドの成績を踏まえて、アーセナルが勝利すると思ったはずだ。先に言うと結果はアーセナルが勝利した。ただ内容は間違いなくこちらが圧倒していたといっても過言ではない。今夏に獲得したエンべウモとクーニャと言うプレミア屈指のアタッカーがスタメンに名を連ね、プレシーズンマッチに好調だったマウントを含める3トップで挑んだ。試合の入りからユナイテッドが押し込める空気感と勢いでアーセナルを呑み込んでいた。それでもユナイテッドは13分に先制を許してしまう。この一点が結果に直接繋がるのだが、深掘りは後の章でしよう。先制点こそ許してしまったが、主導権は終始ユナイテッドのものだった。とにかく新加入組の単騎性能が異常だ。ビルドアップで詰まった時にエンべウモにボールを蹴り込めば高い確率で収めてくれる。身体の使い方を含める強さと技術がとんでもない。そしてクーニャも0を100にできる突破力を見せてくれいた。これは昨季からは考えられないワクワクと驚きを与えてくれる。最終ラインで真ん中を務めたデリフトも非常にタフかつ鋭く守備をこなしていた。終盤には印象的なブロックもあり、試合を通してもマッチアップのギョケレシュには何も仕事をさせていない。左右のショーとヨロも非常に良い印象だ。ショーは守備の判断が的確で潰すタイミングやサカとの対峙も何の問題もなく対応していた。ヨロも非常に無理が効く。守備時の脚の伸びは彼の強みで、さらには攻撃時の運びもかなり目立つようになってきた。中盤のカゼミロは守備範囲の狭さや器用さのところで不安はあったものの、近年に比べれば開幕戦から体が絞れていてコンディションも良さそうだ。前線へのパスは攻撃を一気に加速させるし、自分の土俵に入り込んできた相手には流石の力強さがあった。個人として全て挙げていたらキリがないのでここまでにしておくが、チーム全体としてアモリムのスタイルが浸透しつつあり、プレーエリアの幅もしっかり取れていて、かつボックス付近での発展性、前線からのプレスでアーセナルを圧倒していた。ここ3年間連続で2位をとれるチームにこれほど内容で圧倒できたのは、ものすごい可能性を感じる。昨季の真っ暗だったら成績や内容から考えると今日の試合から開幕する今季は眩しいくらいの希望かも知れない。

それでもユナイテッド

先ほど書いた希望は間違いなくあった。それでもユナイテッドは試合に結果として敗北した。これが現実である。そして見出しの「それでもユナイテッド」と言うのは敗北という結果の要因である失点の仕方をさしている。序盤から勢いよく自分たちのペースを作れていたのにもかかわらず、最初のコーナーキックでやられてしまったのだ。いわゆる「ポコっとやられる」だ。これは昨季含めた近年のユナイテッドによく観られる取られ方だ。内容ではものすごい希望を持つことができ、新たなユナイテッドとして進み出したという確信にしたいところだが、この結果という現実が近年の大低迷している「沼ユナイテッド」らしさを出してしまっている。これが結果という現実を押し付けられ、私含めるユナイテッドサポーターが今回の試合で抱く、落胆になっているのだろうと思う。

個人課題

今回の試合は多くの選手が良いパフォーマンスを見せてくれていて、可能性を広げさせてくれるものだった。しかし、個人的に悪い意味で気になる選手が3人いた。一人目がバユンドゥル(GK)だ。フィードの部分では良いボールを前線に送り込んでくれたりと悪かったわけではない。しかし失点シーンがあまりにも頼りなかった。ここ最近のコーナーキックのトレンドとして、GKをブロックする選手を置くことがかなり多く、ファールか際どいグレーゾーンを攻めることが多い。そしてバユンドゥルはこのブロックを前にボールに触ることもできず失点を許してしまった。これは初めてではなく、昨季のカップ戦(スパーズ戦)でもグレーゾーンを攻められて失点を許している。ここはバユンドゥルの改善が必要だと思うし、やはり正守護神を任せられない不安要素でもある。二人目がドルグだ。彼は昨季終盤から確実に成長して来ていて、左ウィングバックの第一候補であるのは間違いない。ただ、プレシーズンマッチから度々見受けられるのがプレー判断の悪さだ。本当ならクロスの質についてを触れたい所だが、それ以前の問題で、決めプレーが多いように思える。この試合でも何度かあったが、ボックス内に誰もいないのにも関わらずにクロスを入れ込んだり、マイナスで仲間がフリーなのにも関わらずにGK付近にクロスを入れたりしてしまう。この判断の悪さは、彼の高い身体能力からなる理不尽さなどを無駄にしてしまっているので、真っ先に改善すべき個人課題であると思う。最後の三人目はウガルテだ。今日のウガルテはあまりにも見ていられない内容だった。途中から入ったのにも関わらず、ビルドアップでの軽率なバックパスミスやいらないロングシュートやファールといった押し込むユナイテッドのブレーキになってしまっていた。彼の武器である積極的な潰しが全くといって良いほど良い方向に働いておらず、苦手な部分だけが目立ってしまっている。それでは、衰えが近年で露骨に出ているカゼミロをスタメンに選択するアモリムの判断にも納得できてしまう。中々自分の強みが出せずに苦しい心境にもあるとは思うが、めげる事なく頑張って欲しい。

そしてアモリムよ!メイヌーに出場機会を与えてくれ!!

He never gives the ball away!!!!!!!!!

まとめ

今回のレビューとしてはかなりネガティブに書いてしまってはいたが、今季のユナイテッドには可能性を感じずにはいられないと思う。アモリムによるチーム作りという観点では、国際舞台での大会が無い事を良い捉え方にできると思うし、実際に戦術が浸透し始めているのは、プレシーズン含める試合から感じる事ができる。開幕戦はいい内容とホーム戦だっただけに悔しい結果だったが、栄光のユナイテッドが帰ってくるのはそう遠くないのかも知れない…

T(仮)

プレミアリーグに愛情注ぐ人。 ユナイテッドサポーター

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